基礎練習の大切さ(1)

barrios2006-08-17

 ある程度慣れてくると、どう
しても曲が弾きたくなる。
上達すれば、弾ける可能性のあ
る曲は増えてくるし、限られた
時間の中で練習をすることにな
るから、出来るだけ曲の練習に
時間を費やしたい。
 しかし、実は上達すればする
ほど、基礎練習が大切なのだということを、体験した。


 以前、私が発表会を目指して、タンゴ・アン・スカイを練習して
いた時のこと。
 何度弾いても上手く弾けない箇所の練習をしていると、先生
から「確実に弾けるくらいの速さに落として、音をしっかり
出す練習をしなさい。それと、いきなり弾かないで
基礎練習の時間を取りなさい。」と
言われた。


 騙されたと思って、曲をゆっくり弾く練習と基礎練習を
地道にやっているうちに、はっと気がついたことがあった。
 このタンゴ・アン・スカイという曲。村治佳織大萩康司
取り上げたことから有名になったこの曲は、技術的にかなり難しい。
何よりも速いし、楽譜を見てもらえばわかることだが、最初は
どこから手を付けたらいいのか分からない感じがする。
 実はそこに落とし穴があって、速く弾こう速く弾こうと勝手に
思い込んで練習していたのである。


 そう、この曲、死ぬほどゆっくり弾いてみると、一部ポジション
移動が大変な所もあるが、それ程難しくはない。
 いや、個々に分解してみると、実は基礎練習であるアルペジオ
スラー、スケールのオンパレードになっているのだ。
 ゆっくり弾く練習と基礎練習を一緒にやったことで、そのことに
気がつくことが出来たのである。
 どんな難しい曲も、細かく分解してゆっくり練習してみると、
基礎練習の応用形に過ぎないのだということなのだ。


ブルー

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アランフェス協奏曲 [XRCD]

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