ロマニロスのこと

barrios2006-08-31

 愛器ロマニロスとの出会いは以前日記に書いた通り
だ(http://d.hatena.ne.jp/barrios/20060815#p2)。
買った時点で既に中古のギターだった訳だが、そんな
こともあって、通っているギター教室で貸しギターと
間違われて、他の生徒さんに弾かれてしまったこともある。
もっとも、当人はこんな貸しギターが教室にあっただろうかと、
半信半疑で弾いていたそうだ。確かに、そこらに転がっていたら、
貸しギターと見えないこともない。


 このギター、スペイン人の作であるのに、所謂スペイン系の
ギターとは違うのだそうだ。確かに、スペイン系のギターの
ように、表面板が赤っぽくない。いや、むしろ黄色っぽい。
 クラシックギターの系統は大きく分けると、ラミレスに
代表されるスペイン系のギター(材質は杉で、そのために
表面板が赤っぽい)とハウザーに代表されるドイツ系のギター
(材質は松で、表面板が薄いクリーム色)に分けられるのだが、
そのどちらでもないというのだ。
 確かに、スペイン系のようにふわっとした甘い音がする訳
でもないし、ドイツ系のように粒のそろったクリアな音がする訳
でもない。
 しかし、先生がおっしゃるには、弾く人の色に如何様にも染まる
稀有なギターだという。


このギターの有する潜在的能力を十分に引き出すことが出来る
レベルにまで自分の実力が伴うようになるのは何時のことだ
ろうか。

ホセ・ルイス・ロマニロス
Jose Luis Romanillos

1932スペイン、マドリッド生まれ。
職業は家具師で熱心なアマチュアギタリスト
であった。
1956年にイギリスに渡り、1959年に
初めてのギターを作った。
その後3年間スペインで過ごした後、
1967年、再びイギリスへ戻り制作を続け ,
1970年、ジュリアン・ブリームと運命的な
出会いをする。
そして彼のサポートのもとブリームの家の近
くに工房を設立し、以後20年以上彼と共に
ギターの改良に全力を傾けた。
彼は又、アントニオ・デ トーレスの研究家
としても知られており、1987年に出され
た著書、「ギター制作家ーアントニオ・デ 
トーレスーその生涯と作品」、は世界中で賞
賛を得ている。
1990年代初頭から、スペインとイギリス
を往復する活動をしており、現在執筆中の2
冊の本、「ロマニロスギターの進化」、及び
「スパニッシュギターの歴史的概観」、が近
く出版される予定である。
又、彼の息子リアンも近年彼自身のラベルで
制作しており、共同制作者としても重要な役
割を果たしてる。

 参考文献 バラフォンブック 「ザ・クラシカルギター」
 サニーノールパブリッシング「スパニッシュギター名工選」