村治佳織コンサート〜ライア&ソネット

barrios2006-11-17

 楽しみにしていた村治佳織のコンサート
当日がやってきた。今日一日は、事務所
で内勤だったので、それほど慌てること
なく、5時半には事務所を出た。都営
新宿線を経由して京王線初台駅
下車。 この初台駅は地下駅でエスカレ
ーターを使って上がっていくと、自然に
今回の彼女のコンサート会場である東京オペラシティコンサートホール
に着いてしまう。その間僅か5分ほどで、雨にも濡れないで行くこと
が出来るので、本当に便利だ。このホールは日本の代表的な作曲家、
武満徹の名前を取って、タケミツメモリアルホールとも呼ばれている。
 以前、別のコンサートで1度来たことがあるが、まだ比較的新しい
ホールで、中に入ると思わず天井を見上げてしまう程高い。
サントリーホールのように木の温もりを感じさせる素敵なホールだ。

http://www.operacity.jp/concert/

 会場に向かう途中で、クリスマスツリーの綺麗のイルミネーション
を見つけて、デジカメをごそごそと出して撮影。コンサート会場内での
写真撮影は厳禁だから、今回はデジカメの活躍する機会はこのぐらい
といったところか。

 予想通りではあったが、ホールはほぼ満員の盛況で、CD、DVD、そして
今回のプログラムなどが飛ぶように売れていた。私も、買い逃していた
DVDとプログラムを購入して、指定された座席に腰を下ろした。
 7時5分、照明が薄暗くなり、コンサート開始。今回の彼女のコンサート
の特徴は、人間の声とのコラボレーションがあること。ギターは曲の伴奏
にも力を発揮する楽器なので、その部分も楽しみに聴きに来ている聴衆も
少なからずいるようだ。


 白いドレス姿の彼女が登場すると、会場割れんばかりの拍手。難しい
曲なのに颯爽としていて軽やかに弾いていく。私が今回一番嬉しかったのは、
自分自身が過去に弾いたことのある曲を数多く彼女が取り上げてくれている
こと。そのうちには、来年の発表会で弾こうと思っているヴィラ・ロボス
の「前奏曲第5番」も含まれている。


 しかし、あの有名な「アルハンブラの想い出」を彼女が弾き始めると、
私は思わず口をあんぐり。他のコンサートでもいやと言うほど聴いている
曲だが、とにかく見事と言うしかない。imaのトレモロの音が不均一に
なることがなく、ビロードのように滑らかで澱みがなく、しかもp指の
伴奏がしっかりと聴こえてくる。こんな細かくて粒の揃ったトレモロ
初めて聴いた。これ1曲だけでも、今日このコンサートに来て良かった
と思った。ホセ・ルイス・ロマニロスの面目躍如といったところだろうか。
私のギターもあんな素敵な音がするのだと思うと、俄然やる気が湧いて
くる。


そして、お目当ての「前奏曲第5番」。CDに入っている演奏の速さより
も少し速めに弾いている。いや、スローな部分をよりたっぷりと弾いて
いるので、速いパッセージがより強調されている感じがする。メリハリを
つけるというのは、こういうことを言うのか、と思ったが、自分で実際に
やってみるとなかなか出来ないものである。
 ムダーラの「ファンタジア」、リョベートの「盗賊の唄」、パッヘルベル
の「カノン」など、馴染みのある曲が次々と演奏され、大いに堪能した。


 鳴り止まない拍手の中、最後にはアンコールとして、彼女のナレーション
付きで、ギターを始める人の100人中100人が弾きたいと思う
禁じられた遊び」を披露してくれた。いやー、ちょっとサプライズ。
彼女は簡単に弾いていたが、この曲ですら、初心者には極めて難しい曲
である。


 終演は9時15分過ぎ。ホールを出てみると長蛇の列に遭遇。
どうやら、彼女のサインを貰おうとして並んでいるらしかったが、優に
200人ぐらいは並んでいるようだったので、諦めて駅へ急いだ。
 また、近々彼女のコンサートがあるらしい。今度は、純粋にギターの
生音を楽しみたいので、コンサートが終わったばかりであるにも拘らず、
行くかどうか只今検討中(笑)。

http://d.hatena.ne.jp/barrios/20060909#p1

http://d.hatena.ne.jp/barrios/20060922#p1