長〜いコンクール当日(前)

 いつもながらのコンクールの長〜い一日。緊張のため
か、はたまた気持ちの高ぶりのためか、朝5時に目を
覚ましてしまう。
 幸い、天気はまずまずのようで、傘をさしながら、
ギターを持って移動ということは無さそうだ。


 今回の会場は従来の江戸川総合文化センターではなく、
静岡県の三島文化会館ということで、初めて演奏するホール
ということになった。今回は江戸川のホールを借りること
が出来なかったらしく、三島でのコンクール実施となった
そうだ。ただ、会場へのアクセスはいつもバスをチャーター
しているので、移動にかかる負担は最小限で済む。
 距離的にも西と東の違いはあるが、ほぼ同じくらいなので、
出発時刻も8時半ということで、前回と変わっていない。
 私は積み込む荷物を運ぶ人員に組み込まれていたため、
出発時間よりも早い8時に藤沢の教室に行き、アンプや
特殊楽器を運ぶ作業を手伝った。


 集合時間に遅れたメンバーが若干名出たため、出発時刻
は8時40分。途中で、乗車してくるメンバーを拾いつつ、
東名高速の厚木インターに向かう。朝は雲が多い天気だった
が、途中のサービスエリアで休憩する頃にはすっかり晴れ
上がり、富士の雄大な姿を目の当たりにすることが出来た。
 沼津インターで降りて、一路三島へ。幸い、渋滞すること
もなく11時には三島文化会館に到着。荷物を降ろし、藤沢
教室専用の荷物置き場まで運んだ。
 1時からコンクール開始ということだったので、時間は
まだかなりある。その間に食事をしておかないと、食べて
いる時間がないと思い、急いで町まで買出しに出かけたが、
お目当てのコンビニが全くと言っていいほどない。それどころか、
休日のためか3分の2以上の店が閉まっていて、シャッター
が降りていて、しかも人も殆ど歩いていないようで、まるで
ゴーストタウンのよう。辛うじてスーパーマーケットがあった
ので、そこで弁当とお茶を買ってホールまで戻り、少し早い
昼食となった。


 今回は、31団体が参加ということで、我が藤沢火曜アンサンブル
の出番は23番目。出演の順番は適当になっているのではなく、
基本的には前年の実績に基づいて決められている。つまり、昨年
の成績のいい団体が後の方で演奏することになるのだ。私たちは、
昨年は金賞だったので、本来ならばもっと遅い順番でもよいのだが、
藤沢からは他にも2団体参加しているので、全体的に調整をされて、
この順番になったようだ。
 1時から始まったコンクール、序盤に出場する団体は人数が
少ないことが多く、演奏にも冴えがない。昨今、実年の趣味として
ギターを弾く人が増えたのは事実のようだが、それでも各教室で
アンサンブルのメンバーを増やすことは大変で、なかなか増えない
のが悩みのようだ。今回のコンクールでも30人を超える人数で
演奏した団体は多分10団体に満たなかったのではないかと思う。


 私たちの出番は予定時間よりも少し早い4時半過ぎ。それよりも
少し前に楽屋入りして、例によって何回かリハーサル演奏をする。
 今回初めて参加するメンバーもいたが、藤沢火曜アンサンブルの
参加は今回で4回目となるので、ベテランのメンバーにはそれ程
緊張した様子は見られない。寧ろ、リラックスして落ち着いている
ように感じられた。賞を取ろうという気負いもないし、いつもの
ように笑顔のメンバーも数多く見受けられた。


 ステージに出て席についても、周囲に気を配るメンバーもいて、
足台の高さを調整したり、座る席に誤りがないかを注意する余裕
もあるメンバーも多かった。司会の紹介のアナウンスで、S先生
が颯爽と登場。待ち時間の中ではこの時間が一番緊張するものだが、
メンバー皆、先生を見てにっこりと笑顔に。今まではこんなこと
は無かったように思う。随分変わったものである。