博士の愛した数式

80分しか記憶のもたない数学者の先生(寺尾聡)と、その家に
雇われた家政婦(深津絵里)とその息子との心温まる交流を描いた
物語だ。
 その後数学の先生になったその息子ルート(吉岡秀隆)が、
当時を回想する形で話は展開する。


数学で扱う数字というと凄く難しいイメージがあるが、物語に登場
する数字はどれも興味深いものばかり。


1. 4の階乗は24
       ・・1×2×3×4
       ・・家政婦の靴のサイズが24cm
2. 素数
       ・・1とその数自体しか約数のない自然数(2、3、5、7、11、
         13、17、19、23、29・・)

3. 220と284は友愛数
       ・・220の約数(220を除く)の合計は284、
         284の約数(284を除く)の合計は220という関係
       ・・家政婦の誕生日は2月20日、先生が賞として受け取った
         時計に刻まれた番号が284
4. 28は完全数
       ・・その数(28)自体を除いた約数の合計がその数になるもの
       ・・阪神タイガース江夏の背番号28

5. ルートの11回目の誕生日
       ・・阪神タイガース村山の背番号11

といった具合だ。


常に、数字を介在させないと話を出来ない先生と、毎日初対面(先生の記憶が
80分しかもたないため)という状況でも優しく対応する家政婦親子。
その暖かい交流が、いつしか周りの人間の殺伐とした心を溶かしていく様
が観ていてとても心地よかった。


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