第40講、有価証券の譲渡(1)

 一般的には株式の譲渡と言われているが、授業では
株式よりも広い概念である有価証券の譲渡というタイトル
で、今回と次回の二回に分けて、体系的に勉強すること
になった。従って、譲渡しても非課税にしかならない公社債
や総合課税にしかならないゴルフ会員権なども有価証券
の範囲に含まれることから、今回の勉強の範囲となって
いる。ただ、複雑な上場株式の取扱いは次回の内容と
なっていて、今回は株式に関しては、未公開株であることが
前提ということになる。


 株式の譲渡は、それ自体一個の独立した課税標準を構成
することになるため、出題された場合には通常の総合問題
よりも5分程度、時間が余計に掛かることを覚悟しなければ
ならない。株式の譲渡が複雑に見えるのは、数多くある
租税特別措置法に代表される時限立法のせいである。
 例えば、通常ならば譲渡益に対して15%の所得税がかかる
のに、上場株式については、時限立法があるために現状では
7%しか所得税がかからないことになっているのが、その
代表的な例だ。社会の状況というものが時々刻々変わっている
ため、どうしてもこのような規定が存在することはやむを
得ない気はするが、受験生の立場ではもう少しシンプルに
ならないかと、つい思ってしまう。