スプリングコンサート

 やはり独奏がないことが大きいのだと思うが、
さして緊張することもなく迎えたコンサート
当日。演奏する2曲で使用するギターが違うため、
天気が悪ければギターの持ち運びが結構大変なのだ
が、天気予報がいい方に外れてほっとした。演奏者
の集合時間は10時、開演は11時ということだから、
意外と慌しい感じだった。


 今回は、昨年よりも参加者が多くなったため、
教室ごとに区分し、先週と今週の2回に分けて
コンサートが行われることになった。それでも、
プログラムを見ると、67番まである。朝11時に
始まって、終わるのが4時過ぎ。間に休憩時間が
あるとはいえ、5時間近いコンサートだ。
 私とSさんとの重奏の出番は12番、アンサンブル
は61番ということで、その間かなり時間が開いて
しまうので、出来る限り他の人の演奏を聴くことに
した。


 重奏の「ポロネーズ」については、演奏途中に
Sさんの音が無くなってしまうハプニングが発生。
演奏後の彼の話によると、緊張のためか、一瞬どこ
を弾いているのか分からなくなってしまったのだと
いう。本番では何が起きるか分からない。そのために、
日頃の練習を積み重ねているのだが、それでもこう
した事態を避けることは難しい。
 その時は正直言って焦ったが、幸い崩壊すること
はなく、途中からはSさんも復活して、なんとか
体裁だけは整えることが出来た。でも、Sさん曰く、
「練習不足だった。」とのこと。でも、その点では
私も同じ。今回は大きなミスの無かった私でも、
演奏中に頭が真っ白になることは十分に考えられる。
ただ、今回は意識的に不安を抱える運指の部分に
ついては、頭の中でイメージしないようにして演奏
したのが良かったようだ。


 「故郷を離るる歌」は、時間的な余裕があったことと、
人数が9人と多く、お互いのミスを十分にカバー出来る
だけの人数での参加だったこともあり、今までに無く
落ち着いてステージに上がることが出来た。一番緊張
する出だしの部分。指揮者がいないため、私の合図で
皆の演奏が始まる。最初が肝心という意識が強すぎて、
今までの練習では上手くいかないこともあったが、今回
はすんなりと入ることが出来た。
 普段気にしている運指の心配も頭によぎることも無く、
他のメンバーの音を聴く余裕も十分に持てたように思う。
 のめって速くなるようなことも全く無かったし、今まで
の演奏の中でも一番いい出来の演奏だった。
 やはり、一番左に座るということの重圧は演奏中も
それなりに感じたが、今回の演奏ではそれがいい結果を
生んだように思う。


 今回は数多くの演奏を聴いたが、やはり以前から上手い
と感じている演奏者の演奏は流石に違うという印象を持った。
私など及びもつかないような見事な演奏も数多くあり、
聴いていて色々と勉強になるコンサートだった。