名画(2)〜サウンド・オブ・ミュージック 

 ロードショー公開時に、最初から最後まで映画館で観た
初めての映画がこの映画。当時、小学校に上がったばかり
だった私を、両親が連れて行ってくれた。とにかく長い
映画で、前半と後半の間に休憩時間があった映画は、私が
知る限りでは他には「風と共に去りぬ」ぐらいではない
だろうか。大スクリーンに映し出される映像と音楽に圧倒
されて、カルチャーショックを受けて、映画館を出てきた
ことを思い出す。


 周知の通り、ロバート・ワイズ監督によるミュージカル
映画の傑作で、主役の修道女マリアは、女優でありミュージカル
スターでもあったジュリー・アンドリュースの当たり役。
「ドレミの歌」「エーデルワイス」などに代表される
名曲の数々、ザルツブルグの街を中心とする美しい風景、実話
に基づく素敵なストーリー展開など、何度観ても飽きさせない
ものが、この映画の中にはある。


 私が最初に海外旅行先として、オーストリアを選んだ理由
のひとつは、この映画の存在が大きい。その時は、幸い天気
にも恵まれ、ザルツブルグの街、「ドレミの歌」のシーンの
ロケでも使われたミラベル庭園や郊外の湖水地帯にも足を
延ばし、マリアとトラップ大佐の結婚式のシーンの撮影でも
使われた教会の中も見学することが出来た。映画の撮影当時
と周りの景観は全く変わっておらず、本当に映画の映像の世界
に自分が迷い込んだような錯覚に捕らわれた。
 機会があれば、また行ってみたいと思うが、仕事に追われて
当分の間は無理そうだ。


 私が音楽と映画が好きになった、その原点と言ってもいい
作品だ。